勇気について

昨日、筋ジストロフィーという重い病気を患っている17歳のフランスの青年と面会しました。彼は日本語を勉強しているのですが、優勝したコンクールの副賞で、両親と共に来日しています。また彼は、フランスのテレビ局が毎年実施している、筋ジストロフィーの研究資金のためのチャリティー・イベント「テレトン」で重要な役割を果たしています。

この出会いを通じて、彼が勇気、好奇心そして寛大な心の持ち主であるという印象を得ました。青年はこの難病に立ち向かうにはサムライのエネルギーと精神力が必要だと語ってくれました。自分を奮い立たせてこそ、研究者が研究を進めるように奨励できるのだとも言っていました。彼の方からは、複数の本や映画ですでに情報を得ている、日本について沢山の質問を受けました。夢は大学で日本語や東洋の言葉をさらに勉強することだそうです。まだ若いのに筋ジストロフィーに対する治療の現状を熟知しているだけでなく、病気を治そうと積極的に取り組んでいます。

青年と会うまでは、どのような慰めの言葉をかけようかと慎重に言葉を選んでいたのですが、私の方が「生きる」ということの素晴らしさについて教わった気がします。


駐日フランス大使
ベルナール・ド・モンフェラン