パリ市とオリンピック

2012年のオリンピックの開催地として、名乗りをあげたパリ市をフランス全土が応援しています。昨日、ジャンゼリゼ大通りが巨大な競技場へと変身し、沢山の人で賑わいました。

なぜ世界中の国々が自国でのオリンピックの開催を望むのでしょう?まず第一に平等主義です。最も貧しい国の走者の勇気が世界一の経済大国の走者に勝ることもあります。最先端の技術を持って準備しても記録につながるとは限らず、誰もが勝者になりえます。これが1896年にオリンピックの近代化に成功したフランス人、ピエール・ド・クーベルタンの一番のメッセージでした。

第二にオリンピックは自らの限界と意志に挑戦する機会です。常に上を目指そうとする人間としての、熱望の集約でもあります。

そして、世界中の人々が同じ経験をする地球規模の瞬間なのです。通常は大きな危機や大災害の発生時でないと同じ時間を共有する事はありません。オリンピックは非常に前向きな状況の中で、人々が一体になれるのだと認識させてくれます。オリンピック、それはまさしく希望のメッセンジャーです。



駐日フランス大使
ベルナール・ド・モンフェラン