日仏会館と日本研究


日本とフランスは日仏会館という素晴らしい共通の機関を持っています。80年前に設立されて以来、常に日仏関係の促進と相互理解に大きく貢献して来ました。

日仏会館とは日本の財団法人であり、その傘下で法律、科学、工業技術、フランス語教育、文学等、数多くの日仏学術協会が活動しています。

同時にフランス事務所というのがあり、そこでは日本に長期で滞在する研究員が籍を置いています。

日仏会館では数多くのシンポジウムやセミナーが開催され、中立的な場所として両国の知識層や科学者が真の対話を展開しています。

大使館の優先課題は日本とフランスの人文および社会科学での研究を進めることであり、ここ数年は目覚しい進歩が見られます。日仏会館の研究員の研究と補完するような形で「コーラス」という名前の新たな日仏研究支援基金を立ち上げました。初回は7つの日仏混合チームから提出された研究プロジェクトが採用され、共有している知識をより深める事になるでしょう。また、日本の大学や民間企業の財政的支援を受けて「クローデル講座」を設けました。これは数ヶ月の間、日本に研究員を招聘するもので、旬のテーマについて取り組むのと同時に、受け入れ側の大学で講演を行うというものです。過去に、たとえ日本の専門家でなくても、数ヶ月の間日本で勉強して、素晴らしい成果を得た人達がいます。アイヌ研究のルロア・グーラン、P.S.A.社のフォルツ現社長やソテール元予算相がその代表です。これからはもっと多くのフランスの大学人が、先人を見習って日本に勉強に来るべきです。

ここ数年、経済を中心に日仏関係は大きく飛躍しました。クローデルが形容していたように「もともとが控えめ」で、複雑なこの国をより良く理解するために中央や地方を問わずに行政の立役者はもっと日本を知るべきです。様々なレベルで行われる研究は大変に役立つでしょう。


駐日フランス大使
ベルナール・ド・モンフェラン