グローバル化と雇用の確保、そしてオリンピック

フランスでも日本と同様に、グローバル化によって国境の往来が自由になり、価格競争が加速するにつれ、雇用が不安定になる傾向にあります。ここ10年の間に、両国ともに雇用形態が不安定になりつつあります。私達に与えられた課題は、付加価値の高い分野での職業訓練の充実と雇用の確保によって、安心できる水準と誰にでも受け入れられる連帯感を保証するというものです。雇用を保護しすぎると、企業は採用を躊躇するようになるので、この均衡を保つのは至難の業です。しかしながら、日本でもフランスでも企業というのは利益を得るだけが使命ではありません。企業の反映に貢献する人々に対する責任があります。そこで、先進国ではグローバル化と雇用の保護を両立する方法を見つけなければなりません。これこそが新しいフランス政府が定めた目標です。

最後にオリンピックについて。2012年のオリンピックの開催地が決まって、フランスは落胆を隠せません。これは私も例外ではありません。それでもパリは最後まで頑張りましたし、スポーツではフェアプレーが大切です。ですからこそ、イギリスの友人達に心からのエールを送ります。また、ロンドンまで行かれる方々はパリにも立ち寄られるであろうと信じています。



駐日フランス大使
ベルナール・ドゥ・モンフェラン