映像の不正コピーを防ぐには


横浜フランス映画祭の一環として、日本とフランスは「映画を守るために〜不正コピー問題とその対策」というテーマのセミナーを開催しました。海賊版に対抗する術がなければ、映画は消滅してしまいます。世界で最も多くのフィルムやDVDの海賊版を出している中国やロシアについて、映像不正コピー保護対策協会のセドゥー会長から説明がありました。昔は立派なロシア映画があったにもかかわらず、中国と同様に映画産業はすっかり衰退してしまったのだそうです。製作者やプロデューサーに報酬が与えられず、コピー製作者だけが私腹を肥やすのであれば、どうして映画を作る気になれるでしょう?日本映像ソフト協会の角川会長からも麻薬取引で得られる利益が400パーセントならば、海賊版は800パーセントだというお話がありました。

ですから断固とした態度を取り、対策を講じなければなりません。かつてテレビの初期の時代に映画はこれで終わりだと言われた時代がありました。今日では映画の大部分を支えているのはテレビです。インターネットのプロバイダーに映画の財政支援を呼びかけたり、不正コピーは、若者が好む文化とそれぞれの国を象徴するアイデンティティーの産物である、芸術作品を脅威にさらすのだと自覚させる必要があります。日本では「タダより高いものは無い」と言うそうですが、このままでは映画の終焉の時が到来します。


駐日フランス大使
ベルナール・ド・モンフェラン